じゅーろくやさんがめっさカワイイ少年猫ジェクを描いてくださいまして、「このジェク猫のお話が読みたいなーv」ってリクをお願いしたところ、
な…なんと!即席でお話を作ってくださいました!!



むかしむかし、ルカという港町にいっぴきの猫が住み着いていました。
ルカは港町なのに、どういうわけか猫はいっぴきしかいません。
傷だらけのその猫は、いつもいっぴきだけで、顔を上げて、まるで孤高のようにして過ごしていました。



悪戯好きで、陽気な猫ですが、それでも彼には仲間はおらず、いつもいつもひとりきりで、ときおり漁師達をからかっては、沖をいくふねを眺めたりして過ごしていました。
そうしてある日、かれは浜辺であるものを見つけたのです。
それははじめ、大きな赤い魚に見えました。
なにしろ赤いので、浜辺ではとてもよく目立ちます。
猫は好奇心にかられて、近づいてみることにしました。深紅の瞳がくるくるします。

「俺の目とどっちが赤いだろうな?」

猫は喉もぐるぐる言わせながら覗き込みます。何しろこわいものなんてありません。
だって猫はまだ大人になるまえで、少年でしたから、自分が世界の王様なのです。
猫で、少年で、港で一匹だけ、なのですから、王様のなかの王様です。
少年猫は、そうっと爪で赤いのをひっかけてみました。あまり美味しそうではありませんが、ひっくりかえしてみたらどうでしょう。

ごろん。

赤い浜辺に転がっていたものは、少年猫の力で簡単にひっくりかえりました。

「!」

おもわず毛が逆立ちました。興奮したのです。深紅の瞳は瞠られてきらきらしましたし、爪なんかもっとでてしまいました。
耳もひくんと震えます。
そこに転がっていたのは、赤い布につつまれた、一匹の猫でした。
そう、猫です。
なんと猫なのです。同類です。しかも大人の成猫でした。

「生きてるのかっ?生きてるよなっ」

少年猫は興味津々でした。生きていて欲しいと期待で一杯です。だって、はじめてのお仲間です。

「なあ。起きろよ。起きてくれよ」

海水でぐしょぬれの布を鼻先でつつき、くわえました。
そうだねぐらに連れて帰ろう、と少年猫は思い立ちました。
とてもいい思いつきです。
この思わぬ拾いものを家に連れて帰って、ちゃんと乾かしてあげるのです。
水とごはんをわけてあげたら、元気になるかもしれません。

(助けて、元気にしてやったら、俺に感謝してくれっかな)

布ごとくわえて、一生懸命連れて帰りながら、少年猫は思いました。

(感謝して、ありがとう、とかいってくれるかな)
(なあそしたら、俺のとこにしばらく住みついてくれるかな。くれたらいいな)

どうしたんでしょう。少年猫は不思議な気持ちでした。
いままでひとりでのんびりとやってきたのです。それで平気だったのです。
自分は孤高の存在で王様だと思っていました。
もしかしたら。そうもしかしたら。

(俺、さみしかったのかなぁ?)

家までたどりつき、その赤い布をまとった大人の猫を介抱しながら、少年猫はいいました。

「早く目を覚まして元気になってくれよ。そんで、俺とメシ食ってくれ。昼寝してくれてもいいぜ?」

その思いつきはたいそう素敵なことに思えました。
せっせと大人猫の首周りの毛を舐めて、とかしつけてやってると、やがてその猫が身じろぎをしました。
少年は素早く気付き、嬉しそうに覗き込みます。

「きづいたか?きづいたか?だいじょうぶか?ここ俺んちなんだっ!」

大人猫は億劫そうに片目だけあけます。いいえ、そうではありません。もともと片一方の目だけで、もう片方は傷でつぶれていました。
そんなことにはお構いなく、初めて見る琥珀の深い色の目を真正面 からみつめ、少年猫は続けます。

「なああんたどこから来たんだ?ハラ減ってるか?」

大人猫がなにもいわないので、ちょっと不安になった少年猫がそっと鼻先でつつきました。

「俺、ジェクトっていうんだ」

すると、それまで黙っていた大人猫が、少しだけ苦笑いしたようでした。
そして、低い声が初めて零れたのです。

「アーロンだ」

その瞬間のジェクトの笑顔は、まるで登ったばかりのお日様のようでした。
こうして、ルカの港町には猫が二匹になりました。
ルカの二匹の猫は、それからいろいろな冒険をしたのですが、それはまた、別 のお話。



おしまいv





Story & Illustration じゅーろくや様

すごいーー!!チャ…チャットですよ!?
チャットでこんなにカワイくてほのぼのしたSSが1本できちゃった!!
うがーー!! ジェク猫、かわいすぎる〜!!(ゴロゴロ)
是非、2匹の今後のお話も読みたいです〜vv

で、例えちびっこジェクが相手でも渋は…

「受け」

だそうです。全員一致で「受け」と可決されましたー(笑)

じゅーろくやさんがお話を作ってくださってる間、JUNさんと私はお絵描き…。
SSの挿絵になるハズだったんだけどね…だけどね…




渋猫:JUNさん、ジェク猫:ありすえ

あれ!?ちょっと!!

これ、ステキSSを台無しにしちゃってない!?


「この絵、アップするのアカンやろー!」って思ったんですけども、 じゅーろくやさんが「アップしてv」とおっしゃってくれたので…♪
ほのぼのストーリーにギャグでオチつけちゃった感があるのですが…;
でも、JUNさんの渋猫…カワイイよねvこの不敵なカンジがたまらーんvv


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